離婚時に取り決めた養育費の金額について、調停により減額することができた事例
離婚時に取り決めた養育費の金額について、調停により減額することができた事例を紹介します。
事案の概要
依頼者 | 40代男性 |
相手方 | 元妻・40代女性 |
子ども | 未成年3人 |
相談者と相手方妻は平成23年頃に離婚した元夫婦でした。また、3人の未成年の子供の親権者は、すべて相手方妻でした。
離婚時に取り決めた養育費の内容は、相談者が相手方妻に対して養育費を一人あたり20歳まで月6万円を支払うというものでした。
相談者は、離婚以降毎月欠かすことなく養育費を支払ってきましたが、相談者の勤務先の変更により、相談者の収入が大きく減少するに至りました。
減少後の収入では、離婚時に取り決めた養育費の金額を支払うのは不可能でした。そこで、養育費の減額の調停を依頼するために当事務所に相談に来られました。
解決までの流れ
当事務所の弁護士が依頼を受けて、速やかに養育費減額請求調停の申立てを家庭裁判所に行いました。
調停手続きでは、相談者の主張を法的に構成し、養育費の減額が認められるための事実、すなわち「事情の変更」に該当する事実を主張し、養育費の減額を請求しました。
相手方妻は、こちらの請求には応じられないとの主張であったため、簡単には調停は成立しませんでした。
そこで、「事情の変更」にあたる事実を立証するため、相談者の収入状況などを明らかにし、裁判所の調停委員を説得していきました。裁判所における当方の主張に相当性があるとの判断のもと、おおむね当方が考えていた養育費の金額に近い金額での解決をはかることができました。
最終的には相手方妻もこれに同意し、養育費減額の調停が成立しました。
解決のポイント
1. 一般的に養育費の減額の効果が、「請求時」とされることを踏まえて、受任後速やかに家庭裁判所に申立てを行った。
2. 相手方妻からは、相当程度の譲歩を要求されたが、当方には譲歩する理由がなかったため、容易に妥協しなかった。
3. 相談者が納得のいく金額での解決であった。
- 約600万円の請求(不貞行為-財産分与-婚姻費用等)された事案で、約400万円減少させて解決
- 不貞行為の慰謝料として高額の請求をされた事案において、支払額を請求額の5分の1に抑えて和解した事例
- 婚約の成立を証明する直接的な証拠がない案件について、婚約を破棄したことに対する損害賠償として、交渉で100万円を回収した事例
- 6年以上にわたり離婚問題を抱えていた40代夫婦について、早期に離婚訴訟を提起し、速やかに穏当な内容で離婚を成立させることができた事案
- 離婚にあたり、夫に900万以上の財産分与の支払いを合意させた事例
- 妻からの高額な婚姻費用および財産分与請求を減額ないし0円とすることに成功したいわゆるモラハラが問題となった事例
- 不貞により婚姻中に第三者の子を出産した妻との離婚問題において、慰謝料総額300万円を認めさせた事案
- 離婚訴訟において、相手方から有責配偶者の主張をされたものの、最終的に離婚を成立させた事例
- 婚姻生活中に不貞を行った妻が、離婚後、元夫に対し、財産分与を請求し700万円の支払いを受けた事例
- 不動産持分を移転する代わりに金銭を夫から要求されていた妻が、不動産持分に加え、財産分与や養育費増額することに成功した事例