【慰謝料】妻の父に対し慰謝料を請求することは可能か
妻と婚姻して、2年が経過します。このたび妻が他の男性と浮気、不貞をしていることが判明しました。妻と離婚し、慰謝料を請求しようと考えています。妻には十分な資力はないのですが、妻の父がいわゆる資産家です。この場合、妻の父に対し慰謝料を請求することは可能でしょうか。
この場合、慰謝料が請求できるとすれば、それは妻と、妻と不貞を働いた男性の二人のみですので、妻の父に対して慰謝料請求することはできません。
妻が婚姻中に夫以外の男性と不貞を働いた場合、夫に対する(共同)不法行為が成立します。不法行為が成立することにより慰謝料を請求することが可能になりますが、このとき不法行為責任を負うのは、妻と男性の二人になります。
したがって、たとえ、妻に資力がなく、妻の父が十分な資力を有するいわゆる資産家であるとしても、妻の父が不法行為責任を負うわけではありませんので、妻の父に対して慰謝料請求することはできないのです。
もっとも、妻の経済力は、父に頼んで賠償金を借りる等して支払うことができるか、という点も考慮して判断されます。
したがって、妻と父の関係によっては、妻自身に資産がなくとも、その信用により、賠償金を取得できる可能性はあるといえます。