離婚に伴い、未成年者の親権の取得が争点となった事案

 
解決事例
 

 離婚に伴い、未成年者の親権の取得が争点となった事案を紹介します。

 

事案の概要

依頼者 夫・30代男性
相手方 妻・30代女性
子ども 3歳男の子

 

 相談者夫妻は、結婚して約5年目の共働きでした。
 当事者で離婚に向けて話し合いがなされていたが、子供の親権について、双方が親権取得を主張したため離婚条件が折り合わず話し合いが進展しないでいたところ、相手方が代理人弁護士をつけました。
 夫婦は既に別居中であり、子供は相談者(夫)が監護している状況でした。

 

解決までの流れ

 親権の帰属が争点になる事案でしたので、子供の養育について、依頼者(夫)の両親の協力を得られるよう指示し、子の福祉にとって良き養育環境を整えることに主眼をおいて対応しました。
 相手方からは、離婚調停と平行して、子供の監護権者指定、子の引き渡しを求める保全処分が家庭裁判所へ申し立てられました。
 子供の年齢(3歳)からすると、親権の取得については、一般的に母親が有利であるとされますので、家庭裁判所において相手方の主張が認められるおそれがありましたが、過去の審判例等に照らして、相手方の主張を排斥するよう法的知識、経験に基づき準備書面等を作成し、期日において裁判所を説得できるよう主張を展開しました。
 また、依頼者の実際のこれまでの観護養育状況を、裁判所調査官に確認させ、依頼者の養監護育状況に加え、依頼者の両親のバックアップ体制も十分に整っており、養育環境には問題がないことを裁判所に説明しました。
 その結果、相手方の主張が排斥され、相手方は申立てを取下げることとなりました。
 他方で、離婚は成立し、親権は依頼者が取得することになりました。

 

解決のポイント

1. 未成年であり年少者(幼児)である子について父親が親権を取得することができたケースである。
2. 一般論である母性優先の基準にとらわれず、現実的に子供の福祉にとって、当該夫婦、親子関係からすると、父親が親権を取得するのが適切であることを法的に主張し、裁判所を説得した。
3. 受任から解決までの期間約1年間と、事案の性質に照らしてスピーディな解決ができた。

 

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